【社長の勘違い】 経営コンサルタントのアドバイスはいつも正しい???① 茨城 つくば土浦 税理士 武石光弘
中小企業の社長さんの中には、懇意にしている経営コンサルタントのアドバイスが全て正しい と思って、多額の料金を支払っている方がいます。国家資格である税理士資格を持っていないコンサルタントを厚く信頼している人が多くいる事には 驚くばかりです。
もちろん、素晴らしいコンサルタントも多くいらっしゃいます。しかし、関わったり 聴いたりした経験から、中には問題のあるコンサルタントがいるのです。問題がある と思われるコンサルタントは、自分の経験のみでアドバイスをしています。財務や税務の本当の事を分かっていません。
私(税理士)が特に問題だと思うのは、税理士や公認会計士の資格の無い 事業承継コンサルタント、財務コンサルタントや経営コンサルタントです。
税理士や公認会計士の資格の無い事業承継コンサルタントは、税務面の責任がありません。税務調査にも立ち会いません(立会が出来ません)。責任が無いので、税務調査で簡単に否認されるような提案を平気でします。
ある会社の事例です。社長を中心に見ていきます。
会社の株価を引き下げることと、社長の財布に残る現金を多くするため、会社所有の土地建物を 社長個人に売却しました。
①会社は時価1000の土地建物を、100で売却しました。時価よりも大幅に低い金額で売却します。
社長は時価1000の土地建物を100で買いました。
社長は現金 -100です。
②会社は社長から土地建物を借ります。保証金も支払います。賃借料は相場の10倍の100とします。保証金は20ヶ月分の2000とします。社長が土地建物の賃貸料を受け取ります。
社長は現金 +2100です。
このような取引が、認められるわけがありません。社長に『これは、税務署から否認されます。』と申し上げました。
すると社長は、コンサルタントに相談します。コンサルタントは 大丈夫 と言い張ります。しかし、税務の申告をするのは税理士です。取引金額を訂正して申告をします。
このようなコンサルタントは、税理士と一緒に会社に関わる事を嫌がります。税務に関することを税理士に相談されると困るからです。
コンサルタントは、『自分は経験豊富である。税理士は税務の事しか知らない。経営の事は知らない』と言言います。自分の提案が否定されるのを恐れているのです。
なので税理士を嫌がります。
必要のない持ち株会社を設立させて、株式の売買をさせて、多額の報酬を請求するコンサルタントもいます。
続く
茨城、土浦つくば税理士 武石光弘