コラム

返済条件の見直し(リスケジュール)について    茨城 つくば土浦 税理士 武石光弘   

コロナ融資が始まってから3年近くが経過した今、据え置き期間が終わり、返済が始まっている会社様も多いかと思います。
当初予想していたほどの売上・利益が戻らず、計画通りに返済ができていない会社様もいらっしゃるのではないでしょうか。
その際の一つの手段として返済条件の見直し「リスケジュール」があります。
今回はリスケジュールについてご説明させていただきます。

 

リスケジュールとは

金融機関で借入をする際に返済条件を決めますが、当初の予定通りに返済できなくなることもあります。
その際に金融機関と交渉して、返済条件の見直しをすることを金融機関は「リスケジュール(リスケ)」と呼称しております。
具体的には毎月の返済額を減額・据え置きすることにより、資金繰りの安定化を図るものです。
しかしリスケジュールは良い面だけではありません。

リスケジュールで注意する点

・リスケジュールをすることにより銀行の評価が大きく損なわれるので、正常化するまでは追加の融資は難しい
・複数の金融機関で借り入れがある場合は、すべての金融機関で足並みを揃えてリスケジュールが必要
・条件変更に伴う手数料や、追加の保証料、金利の上昇などがある
・事業計画、返済計画などを定期的に提出する必要がある以上のことがあげられるので、安易にリスケジュールの交渉をするのではなく、追加融資や既存の借入の借換なども相談をしましょう。

 

リスケジュール交渉

まずはメインバンクへの追加融資、借換相談

まずは割賦金額を同額及び減らすための融資相談を行うことが先決です。
複数の借入を一本にまとめることによって、毎月の割賦金を減らし、資金繰りを楽にする交渉をしてください。
それが断られた場合にはリスケジュールの交渉になります。

リスケジュールを進めていく場合

①まず月々の返済可能金額を検討します。一般的には返済金額を0円とする場合が多いと思います。
交渉の際には以下の資料を用意する必要があります。これをもとに金融機関と返済額の相談をしていきます。
・今後の計画(資金繰り表や事業計画等)
・金融機関別取引明細

②もし毎月の返済額を設定できるのであれば、その金額を各金融機関の融資残高で按分をすることになります。

③見直しは業況を確認し、半年もしくは1年ごとに返済額を見直していくことになります。

 

最後に

リスケジュールは延命の為ではなく、返済が猶予されている間に事業再生をするための手段として行うものです。
のため、安易にリスケジュールを進めるものではありませんが、資金が尽きる直前では手遅れになってしまいます。
資金繰り表で自社の資金管理を行い、資金がある程度残っている段階でリスケジュールの交渉を行うことが重要です。