コラム

融資における借換資金とは    土浦 つくばの税理士 武石光弘

今般の「新型コロナウィルス」による影響は、皆様のお客様においても出ていることと思います。緊急事態宣言解消に向けて進んでおりますが、4月以降の外出の制限に伴い、売上の減少し、家賃の支払いにも苦慮している代表者の方は多くいらっしゃると思います。

 

また最悪な場合、倒産に追い込まれている企業も出てきました。政府も様々な政策を打ち出していますが、会社の存続及び従業員の生活を守るためにどうすればいいのか経営者の皆様は悩まれていると思います。

 

そこで今回は融資における借換について説明していきたいと思います。

 

 

1.そもそも借換資金とは

皆様の中においても、借入が数本に分かれており返済が大変であることも多いのではないでしょうか。融資の借り方において保証協会付き融資、プロパー融資等に分かれると思いますし、資金使途においても運転資金や設備資金等に分かれているかと思います。

 

その分かれている借入をまとめてしまおうとすることを借換資金と言います。借換資金のメリットは、「毎月の返済額の軽減」ということにつきます。返済期間の違う借入金を1本にまとめ、かつ返済期間を延ばすことにより毎月の返済額を減らすことができます。

 

借換ではない方法で、返済額を減らそうとするとリスケジュールという形になってしまい、次の借入ができなくなってしまいますが、借換資金を利用すれば、そういうことはなく、毎月の返済額を減らすことができます。また、新しい借入をする場合でも既存の融資を返済条件にすることで毎月の返済額を増やさずに済ますことも出来ます。

 

 

2.借換資金での注意点は何か

これまでに借換資金とはどういうものか説明してきましたが、全ての借入をまとめることができるというものではありません。まとめることが出来るもの、出来ないものについて説明したいと思います。

 

既存の借入を借換資金でまとめる場合、資金使途はそれほど問題になることはありません。ただし事務所購入資金等設備資金で返済期間の長い借入は、まとめる対象にしない場合がほとんどです。

 

問題になる点は、プロパー融資か保証会社の保証付き融資かです。

 

まずベースとして保証協会等の保証が付いた融資でプロパー融資の借換はできないということを覚えておいてください。

 

このことが前提となりますので、そのくくりの中で借入をまとめる方法を考えていくことになります。

 

また、金融機関をまたがっての借換は保証協会付きの場合、既存融資がある金融機関の承諾書が必要になります。

 

通常であり、金融機関をまたいで行う場合は最終手段といいますか、既存融資のある金融機関と取引を解消しても問題ないという場合に限ります。このことを踏まえてまとめる融資を決めていくことになります。

 

 

3.最後に

 借換の最大のメリットは、返済を増やさない、もしくは減額できる点です。

 

保証協会も既存返済額より減額できる条件であれば、過去の実績を勘案して承認がおりやすいという部分もあります。

 

また、保証協会付きの新型コロナウィルス感染症対応資金(3,000万円)においては、既存借入を返済条件にすることも可能です。利子補給を利用できれば(セーフティーネット保証4号・5号、機器関連保証の認定を受けている事業者(5号認定は売上が15%以上減少している場合に限る))、金利負担を3年間はゼロにすることもできます。

 

それ以外の商品でも、自治体ごとに新型コロナウィルス感染症緊急借換資金という商品が出ていたりします。これらの商品を利用して、保証協会付き融資をまとめ、毎月の返済額を減額し、資金繰りを楽にすることができます。

 

自治体によって、新型コロナ対策融資の商品内容は異なる部分があります。皆様の所在地の各自治体のHP等を確認してみてください。

 

 

 

土浦 つくばの税理士 武石光弘