コラム

利益を2倍にするには、いくらの売上が必要ですか?   茨城 つくば土浦 税理士 武石光弘

■利益を2倍にするためには何を増やす?何を減らす??

 

 皆さんの会社に1億円の売上があり、1000万円の経常利益が出ているとします。この利益を2倍にするには、売上をどのくらい増やせば良い と思いますか?

 

 『1億円増やして2倍にすればいい』 このように考える社長が大半(90%以上)です。中には『売上2倍では利益は2倍にならない』と言っている社長もいました。しかし、これは正解ではありません。

 

 

 

 実は、これは意地悪な質問です。何故ならば正解は出せないから です。

 

 粗利益率や固定費がわからなければ、正解を出すことが出せません。

 

 会社には2種類の費用が存在します。『商品』『材料費』『外注費』など 売上高に比例する『変動費』

 

 そして、『人件費』『地代家賃』など 売上高に関係なく発生する『固定費』があります。

 変動費以外は すべて固定費 と考えてください。

 

 この『変動費』と『固定費』を活用して作成する損益計算書を『変動損益計算書(以下 変動PL)』と呼びます。

 

 

 すべての費用を『変動費』と『固定費』に分ける『変動PL』は、非常にシンプルで収益の構造を把握しやすいのが特徴です。

 

 『変動PL』は、売上高から変動費を差し引いたものが粗利益となります。そして、粗利益から固定費を差し引いたものが経常利益 となります。

 

 

■わずか○○万円で利益が2倍になる!!

 さて、冒頭の質問について 考えてみましょう。皆さんの会社の売上高が1億円で、固定費が5000万円。そして1000万円の経常利益が出ているとします。変動費は4000万円で、粗利益は6000万円となります。

 

 ポイントは、粗利益は売上高に比例する という点です。そして、売上高が増えても、固定費は増えません。つまり経常利益を2倍の2000万円にするためには、粗利益を7000万円にすればよいのです。

 

 売上に対する粗利益率は60%ですので、計算すると 約1667万円の売上を増やすと経常利益が2倍になるのです。

 

 

 変動PL の考え方が分かれば、あと少しの売上高の増加で利益を大きく増やせることが分かります。

 

 利益を2倍にするためには、売上も2倍にしなければならない、これは間違いです。

 

 

 茨城 つくば土浦 税理士 武石光弘