社長の勘違い 『売上高経常利益率が10%無いと社長失格』① 茨城 つくば土浦 税理士 武石光弘
『売上高経常利益率が10%無いと社長失格』 理想は何%か?
「売上高経常利益率はどのくらいが良いのでしょうか?」 このように、経営上の指標について聴かれることがあります。
どうやら社長には 「売上高経常利益率は10%以上必要だ」という考え方があるようです。
この 売上高経常利益率10%は、全ての会社に当てはまるものではありません。何故ならば、売上高経常利益率は、粗利益率によって異なるからです。
粗利益率は、
① 売上高-(商品仕入+材料仕入+外注費)=粗利益
② ①粗利益÷売上高=粗利益 と計算します。
粗利益率は、業種によって異なります。業種によって目指すべき目標が違う のです。
売上高経常利益率=経常利益÷売上高 です
売上高に対する経常利益率の割合です。会社の収益性を見る上で極めて重要な指標です。『どれだけ儲かる事業をしているか』を示している と思ってください。
この、売上高経常利益率はどれくらいがいいのか? という質問に対して、『貴社はこのくらいです』と、明確に答えることが出来る税理士は 滅多にいない と考えてください。
売上高経常利益率10%の意味
そもそも、売上高経常利益率10%とは、京セラの創業者 稲盛和夫さんが言っているものです。何故10%と言っているのでしょうか?
それは、一般的な製造業の粗利益率が50%である事が前提にあります。
粗利益率は業種によって違います。おおよその目安があります。(特殊なケースを除く)
私の税理士事務所は 100% です。
理美容業は 90%。
飲食店業は 66%。
小売業は 30%。
製造業は 50%。 くらいです。
粗利益率とは、売上高に占める粗利益の割合です。これに対して売上高経常利益率は、売上高のうちどれだけの経常利益を残せたか を表しています。
粗利益率に『経営安全率』を乗じて求める事が出来ます。
経営安全率とは、粗利益に占める経常利益の割合です。高いほど良い、安定している会社と言えます。
経営安全率とは、粗利益に占める経常利益の割合です。高いほど良い、安定している会社と言えます。
経営安全率=経常利益÷粗利益 となります。 目標10%、 理想は20% です。
目指すべき『売上高経常利益率』は、業種ごとに異なる事となります。何故ならば、
売上高経常利益率=粗利益率×経営安全率 となるからです。
この粗利益率が、業種によって異なります。どんな会社でも一律に10% というのは間違いなのです。
続く。
茨城 つくば土浦 税理士 武石光弘